みなさん、こんにちは。
私の名前は、ド・ヴァン・トゥアンです。仙台ベトナム人協会 会長をしています。
私の大好きな言葉は、最も大きな財産は、わずかなもので満足できる心、笑顔は宝です。
私は2012年に日本に来まして、今は、フリーランスの通訳の仕事をやっております。
2016年に大阪府で在豊中ベトナム人協会を立ち上げました。
そして、2018年に宮城県で在仙台ベトナム人協会を立ち上げました。
今回は、外国人コミュニティーの視点、困窮の実態と現場からの提言についてお話しします。
コロナ爆弾の爆発によって、外国人が抱いている問題がはっきりと見えてきました。
私のところに、たくさんの外国人から「助けてください」と連絡が来ています。
誰が助けを求めているのか?
コロナ禍で、誰が助けを求めているのでしょうか?
①留学生
まず、助けを求める数が1番多かったのは、留学生です。
彼らには、失業保険はありません。
アルバイトが減ったり、なくなったりしたので、食べ物もなく、お金もない生活はとても大変です。
②技能実習失踪者
次に、技能実習失踪者です。
仕事に耐えられずに失踪者となったので、各種の保険がありません。
不法で仕事をしている者もいましたが、コロナで仕事がなくなり、住む所もなくなってしまいました。
帰国したくても、帰れない状況ですし、逮捕されたら大変です。
私は、短期滞在のビザの切り替えのアドバイスをしていますが、許可が下りない場合は多いです。
彼らに、仕事を紹介したいですが、なかなか難しい状況です。
③技能実習解雇者
次に、技能実習解雇者です。
コロナの中、突然、仕事を解雇されたために、仕事や住む所をなくしました。
この立場の人には、技能実習失踪者と違い、仕事を紹介することができますが、コロナ禍で、そもそも紹介する仕事がありません。
④卒業した留学生
次に、卒業した留学生です。
私が知っているベトナム人は、今年の3月の卒業式にコロナのために、参加できなかったために、学校から卒業証書がもらえず、ビザの申請ができませんでした。
⑤仕事が減っている技能実習生
次に、仕事が減っている実習生です。
勤務日数を減らされている実習生には、もちろん雇用保険の適応がありますが、生活費と仕送りもあるために、生活が大変なことには変わりません。
⑥仕事が減っている日本人
次に、仕事が減っている日本人です。
日本人も同じようにコロナで困っていて、私に支援を求めてきました。
宮城県に住む日本人が、月に給料を4万円しかもらっていないので、アパートに住ませてくれないかと頼んできました。
⑦外国人の観光客
次に、外国人の観光客です。
観光で日本に来られた外国人、コロナで飛行機便がなくなり、帰国できません。
お金がないので、彼らは、ずっと公園などで暮らしていました。
言葉が通じず、ずっと見ていたNHKのスタッフさんが、いろんな公的機関や団体に問い合わせしてくれましたが、助けてもらえることはなく、その後、私に連絡が来ました。
その人は、2カ月前から私が借りている部屋に住んでいますが、いつ、帰国できるのかは分かりません。
⑧解雇された外国人
次に、解雇された外国人です。
長年、日本に住んでいるペルー人は、急に解雇されて、お給料はまだもらってない上に、会社の寮から出ていけと言われました。
お金もなく、住む所もありません。
私に助けてくださいと連絡が来ました。
どのような支援が必要なのか?
では、このような困っている人たちに対して、どのような支援が必要なのでしょうか?
コロナ禍で、最優先の活動としては、心のケア、食料を無償で提供、住居を無償で提供、就職支援、企業と連携してプロジェクトを作って仕事を提供、制度の情報などを提供などです。
どうして、私は支援しなければならないのか?
では、どうして、私が困っている人を支援しなければならないのでしょうか?
コロナで厳しい状況が長く続いていると、生活に困っている人が、やむを得ず窃盗したり、事件を起こすなど、悪いことを起こしてしまう恐れがあります。
私はずっと前から、困っている人たちの心と精神の支えとなり、お父さんのような、お母さんのような、兄弟のような立場で彼らをサポートしてあげたい、守ってあげたいと思っています。
彼らに、私のことを思い出すだけで元気になり、不安な気持ちがなくなることで、安心して安全に暮らしてほしいと思っています。
私の支援活動の特徴
私の支援活動の特徴は、食料より心のケア、食料より仕事です。
だから、助けを求めている人のところに家族で移動して、励ましながら食料を支援しています。
また、毎日、Facebookなどを通して、「いくら厳しい状況が続いていても、私たちがいるから、どうぞご安心ください」、「困ったときは私に連絡してください。私たちは全力でサポートします」などのメッセージを発信しています。
△こちらの写真は、実際に私の個人の支援活動です。
食料、無償で提供、それから住居を無償で提供しています。
△また、就職支援活動をしたり、企業と連携して、着物プロジェクトを作って、仕事を提供しています。
さらに、私はTasukeai-Sasaeaiのプロジェクトをやっています。
このプロジェクトは北海道から沖縄まで、全国的に日本語学習のお手伝いや生活の支援相談などを、ネットでやっております。
私が持っている外国人への考え
最後に、私が持っている外国人への考えを伝えます。
私が日本人に言いたいことは、どうして外国から人が来てほしいのか、考えてください、ということです。
外国人は、日本にとって、欠かせない存在です。
留学生や実習生などは、決して安い労働力だけではありません。
外国人は日本の宝です。
外国人も日本人も、同じ人間ですから、より良い日本をつくるために、一緒に一生懸命に頑張っています。
ですから、外国人を大事にしてほしいし、外国人と日本人の力を上手に合わせていけば、より大きな日本の力になると思っています。
そして、私が外国人に対して言いたいことは、短時間、または数日、日本に住むだけでも、周りの皆さんと協力して、日本をより良くしようと思わなくてはならないと言うことです。
また、お互いのことを言葉や文化で知り合い、理解し合ってほしいです。
私の望みは、私は皆さんと力を合わせて、知識を身に付け、その知識を生かして健全な生活を送り、快適な社会の中で楽しく過ごすことです。
これからも、今までと同じように、ずっと共に頑張っていきたいと思っています。
私は、みんなの顔を花のような笑顔にさせたい、私はみんなの笑顔を見るのが大好きです。
△こちらの写真は、在仙台ベトナム人協会の活動の写真です。
その中には日本語教育とかイベント開催とか、それから、いろんなスポーツクラブを作ったり、それから県内の祭りへ参加していました。
私は、今の外国人に関する問題の原因は、全てコロナのせいではないということを伝えたいです。
コロナがあったからこそ、外国人が抱いている問題を、多くの皆さんに知られるようになりました。
これらの問題を解決しなければなりません。
ですから私は、今はもちろん、コロナが収まってからも、これまでの活動を皆さんと協力して続けていきたいと思っています。
ド バン トゥアン(在仙台ベトナム人協会 会長)
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