「外国人への情報普及と保健医療サービスへのアクセスを考える集い」@長崎を開催しました

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みんなの外国人ネットワークは、以下のイベントを開催いたしましたので、ご報告いたします。

シェアすることでつながろう。
「外国人への情報普及と保健医療サービスへのアクセスを考える集い​」

2022年7月7日(木)18:30〜20:15​、場所:長崎商工会議所3階第一・第二会議室​

【概要】

MINNAは、コロナ禍における外国人コミュニティへの情報普及と保健医療サービスへのアクセス改善に取り組んできた中で、外国人を取り巻く周囲の人たちと、その多様なつながりが果たす役割がとても重要なのではないか、と考えるようになりました。外国人の生活・労働・健康などに関わっている方々(国際交流協会、自治体、中小企業、監理団体、外国人支援団体、教育研究機関、大学院生・学生、地域日本語教室、保健医療機関、産業医、社会保険労務士など)が互いに繋がっていないことで、様々な問題が生じていることが見えてきたのです。そこで、各地域の実情と取組みに学びながら新たな協力関係を模索し、地域と地域との橋渡しを目指す「地域連携セミナーシリーズ」を行うことにしました。

その第1回として、2022年7月7日にMINNAのメンバーがご縁のある長崎において、「外国人への情報普及と保健医療サービスへのアクセスを考える集い​」を開催しました。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科、多文化社会学部、熱帯医学・グローバルヘルス研究科に共催いただき、NPO法人 国際活動市民中心(CINGA)のご協力を得ました。感染対策のため小規模の対面+オンラインのハイブリッドとし、合計47名(対面27名、オンライン20名)の方々が参加されました。

多くのアクターを巻き込むことなしには実現できない課題の共有

まず、佐藤寛さん(MINNA/アジア経済研究所)が、「外国人の周りにいる日本人に振り向いてもらうために何ができるのか」という題で、話題提供をしました。

  • 行政が伝えたい情報は、本来的に外国人住民の情報ニーズとズレています。

⇒なぜならば、マジョリティの立場からの情報は、マイノリティの現状に無知であるために役に立たない場合が多いからと思われます。

⇒大切なのは、①外国人住民と共に発信する事、②「周囲の日本人」(情報にたどり着くのを手伝ってくれる人)に対する情報提供ではないでしょうか。

  • 日本の経済システムは、既に外国人労働力への依存なしには成り立たないのだとすれば、地域経済の持続可能性を高めるためには、外国人労働者の人権に配慮した労働環境・生活環境を構築する以外の道はありません​。

⇒労働環境の整備は企業の責任ですが、生活環境の整備は行政、市民団体、周囲の日本人の協力がなければ達成できません。多くのアクターを巻き込むことなしには実現できない課題(SDGsのゴール17)​です。

  • そうであるなら、具体的には​誰が何をするべきなのでしょうか?

ついで、MINNA/国立国際医療研究センターの藤田雅美さん・神田未和さんが、「みんなの外国人ネットワーク(MINNA)​の取り組みから見えてきたこと​」と題して、新型コロナ対策における外国人対応で浮き彫りになった、①ことばの壁、②つなぎの重要性、③つないだ先に解決策がない問題について、実例を交えて話題提供を行いました。さらに、ポスト・コロナに向けての対策として、様々な専門分野の方々とともにベトナム人コミュニティの方々の協力を得て作成した、日本で働くベトナム人労働者むけの健康ハンドブックについても紹介しました。

生きづらさを抱えている人への普遍的な支援として

MINNAからの話題提供後、青柳りつ子さん(CINGA)からMINNAと協働した「外国人コロナワクチン相談センター(COVIC)」について紹介しました。支援体制があっても発信がないと広がらないこと、COVICではその解決策として在住ベトナム人チームとの協働により相談件数が増えたことを共有いただきました。これを皮切りに、参加者の皆様から長崎の現状と取組みについて、活発な情報交換・意見交換がなされました。

以下、寄せられたメッセージの一部です。

  • これまでの活動を通じて、目指す姿を言語化できていなかったのですが、大西先生(長崎大学)がおっしゃった「生きづらさを抱えている人への普遍的な支援」というお言葉に深く共感いたしました。頭と心の整理ができたように感じております。
  • 情報発信を考える際の当事者不在の課題については、私自身耳が痛い話でして、これからできることから挑戦していきたいと思います。
  • 今後は日本(長崎)に住む外国人の方も一緒に参加できるともっと深い話ができるのではないかと思いました。
  • 対象を在住外国人に限定するのではなく、在住外国人支援という切り口から、日本で生きづらさをかかえる人たち(≒社会的マイノリティでしょうか。)への私たち自身の関わり方を見つめなおすことが大事という点に感銘を受けました。在住外国人に絞りすぎず、より多様な関係者と共にこれからの社会を考えていきたいと思った次第です。

今後の地域連携セミナーの進め方についても、ご意見をいただきました。長崎での経験をうまく活用しながら、各地域の方々とともに企画をつくり、地域の実情に合ったセミナーを開催していきたいと考えています。

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